桜門技術士会設立20周年記念誌 祝辞
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ご挨拶
 桜門技術士会は、本年で設立20周年を迎えることになりました。
 設立の経緯は、桜門技術士会の誕生にふさわしいものでした。
 平成3年4月、本学理工学部機械工学科卒業の石塚貢氏が科学技術庁事務次官に就任されました。科学技術庁は技術士制度設立の担当所管官庁であり、その官僚最高位の事務次官に私学出身の技官が初めて就任されたのです。その盛大な祝賀会が同年10月に工科校友会主催で行われ、多数の校友技術士も参加しました。それを契機に、当時工科校友会会長であった梶谷正孝氏(梶谷エンジニアリング(株)社長)を中心とする諸先輩の献身的な準備と行動により、平成4年6月、日本大学本部大講堂で桜門技術士会設立総会が開催され、初代会長に梶谷正孝氏が就任しました。386名の校友技術士を会員とする桜門技術士会がスタートしたのです。全国の大学では、蔵前技術士会(東京工業大学)に次いで2番目の設立となっています。
 平成8年6月に二代目会長に清野茂次氏((株)オリエンタルコンサルタンツ社長)が就任され、20年6月に退任されるまで12年間にわたり桜門技術士会をリードされてきました。この間、清野氏は、平成15年6月に(社)日本技術士会会長に就任し、「技術士ビジョン21」及び「行動指針」を策定されています。特に、本会が平成20年9月日本大学理工学部5号館1階に本会事務室を借用するに当り、大変尽力されました。

 さて、当会は、会員の親睦と知見の交流により、見識と社会的な地位向上並びに本学と日本技術士会の発展に寄与することを目的としております。これを達成するために、本会の事業活動としては、次の3点を重点的に進めています。

 第1には、「技術士取得への支援」です。
 技術士は、国が一定レベルの問題解決能力を認証し、また秘密保持義務も課されており、顧客の信用を得やすいのです。また大学院などで、技術士資格を博士課程に入学許可の条件にしているなどでも有利です。 本学では、JABEE認定は、9学科になっていますが、修習技術者の技術士取得は、現実には、容易ではありません。一方、多くの校友が技術士取得に挑戦しています。技術士の受験者数は、一次試験、二次試験とも全国の大学別受験者数で圧倒的にトップです。二次試験の受験者は毎年1500名にも及んでいます。このため、本会の事業としては、学生への技術士・技術士制度の説明を日本技術士会の支援・連携により行っています。さらに経験に基づいて、分りやすく、丁寧に説明し、技術士受験へのモチベーションを上げるように努力も必要です。また、本会では、校友への受験支援体制の拡充については、大学とも連携して、一層の努力が必要と考えています。

 第2には、「技術フォーラムの充実」です。
 技術フォーラムの開催には力を入れてきています。本会の目的に適う活動となっています。この4、5年は、年間4、5回の技術フォーラムを開催しており、桜門工業クラブと共催し、また、大学技術士連絡協議会(18の大学技術士会が参加。H21年設立)のメンバーと共に、東日本大震災の教訓、自然災害への取組み、地球環境問題、エネルギー活用、海外巨大プロジェクトなど最新テーマを取り上げており、参加者が全員参加しながら、討議できるように最近は、数人の話題提供をベースにして、ラウンドテーブル式の討議を行っています。知見の交流、情報の共有化を通した交流の拡大につながることを狙っています。校友だけでなく、大学技術士会会員、学生、一般にもオープンにしております。これは、理工学部5号館に事務局を設置できたことにより、大学内の会議室、教室の活用が円滑に進んでいることや主要な学科の先生方のご協力にもよるものです。

 第3には、「会員の拡大」です。
 創立時の会員数から見ると大きく減少してきています。上記の活動を通して、会員の拡大を図っています。そのため、情報の発信が重要と考えています。会報「桜門技術士会」は年間3回ベースで発行してきましたが、平成21年2月発行の第41号の会報「桜門技術士会」を最後に廃止となりました。費用的な問題が一番の支障となりましたが、代わりに、ホームページを開設して、情報発信を進めていくことで、若い世代の入会を進めています。このため、HPの一層の充実と、情報発信が有効です。現在、技術士への受験支援を契機に校友や若い世代の入会者が増えています。

 本会の設立20周年を記念して、これまで開催した技術フォーラムの内容をDVDにまとめております。技術フォーラムでご講演頂いた皆様にあらためて、感謝を申し上げます。
 桜門技術士会20周年DVDを会員諸氏だけでなく、先生方、学生、関係の皆様にご覧頂き、ご活用頂きますように祈念して、巻頭のご挨拶といたします。
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