桜門技術士会設立20周年記念誌 祝辞
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桜門技術士会設立20周年を祝して
 桜門技術士会の設立20周年をこころからお祝い申し上げます。
 技術士の重要性が増す今日、多くの技術者から成る桜門技術士会の運営にご尽力されている関係各位に対して敬意を表したいと思います。

 昨年3月に起きた東日本大震災は世界中に大きな衝撃を与えました。このときに,世界の人々が日本のために祈っていただき、また,被災した人達の態度に「ひと」としての尊厳を感じた賞賛の嵐が巻き起こり,われわれが世界から大きな勇気をもらったのは記憶に新しいところです。日本技術士会・防災支援委員会は3月末に『「東日本大震災」支援への日本技術士会の取組み』として「喫緊の課題」と「中長期的な課題」に分けて計10の支援活動を示し,それらは技術士会全部門での英知の結集や被災者の不安解消事項の相談、二次災害防止の提案や復興まちづくりでの自治体支援などでした。その内容は、機械、建設にはじまり衛生工学、環境、原子力・放射線など21部門と多岐にわたっており、こうしたところにも技術立国・日本、ものづくり・日本が見て取れました。厳しい国際競争にある日本の技術力を信じ、その力強い復活を信じる気持ちを認識する次第です。
 技術士が法制化されて高度な技術資格者となりましたが、一方では、企業を取り巻く環境の変化や不正・不祥事と技術者の関わりなど、企業と技術者の社会的責任の高まりと個人の仕事と組織の新しい関係など、時代の変化に伴い、法制定50周年を機に2007年、「技術士プロフェッション宣言」をして倫理感を備えることを意識した技術者集団であるとして新たな一歩を踏み出しています。その中で「技術士は社会からの信頼を高め、産業の健全な発展ならびに人々の幸せな生活実現のために貢献すること」を宣言しています。

 桜門技術士会の設立は1992年といいますから、バブルが崩壊した直後だったと思います。そうした中で船出されたのは、まさに技術力を梃子に日本が進もうとする方向を指し示したものともいえます。桜門技術士会の核を成すのは本学5学部ですが、その実学教育の成果が技術士資格者を多く輩出し、我が国の技術を生み出し、支えていると言ってもいいと思います。私学として理工系や医歯薬系に特長のある本学ですが、さらに大きく発展するために、教学と経営面から多角的に見直しをしているところです。教育も研究もスポーツも輝く、日本一教育力のある大学への再生を合言葉に取り組んでいます。その中で、多様な学問領域を有する本学が追い求める学生像・人物像を創造力・判断力・コミュニケーション力を備えた「自主創造型パーソン」としました。こうした教育の中から、一人でも多く優秀な技術士となれる人材を送り出して社会に貢献できれば、これ以上の喜びはありません。

 日本大学は2019年に創立130周年を迎えます。お茶の水の新病院建設も始まり、また新学部や小学校開設など記念事業がスタートします。われわれは「いい日本大学」をつくるために努力を続けてまいります。桜門技術士会も30周年、50周年を目指し益々発展されんことを心から願ってやみません。
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