桜門技術士会設立20周年記念誌 祝辞
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桜門技術士会設立20周年をお祝いして
 桜門技術士会設立20周年、誠におめでとうございます。

永きに渡り、会員の皆様方が、それぞれの専門分野において、応用能力を遺憾なく発揮され、社会の発展に大きく貢献されておられることに対しまして心より敬意を表します。また設立20周年を記念して、その歴史を物語る記念誌が発行されますことは、誠に意義のあることと心よりお喜び申し上げます。

 皆様ご承知のように日本大学理工学部は、1920(大正9)年の日本大学高等工学校創設を緒とし、2012(平成24)年をもって創設92年目を迎えます。振り返ってみますと日本大学高等工学校の創設は、わが国の科学技術教育向上への強い要請によるものであります。創設以来、社会の激しい変動のなかで、常にその時代の科学技術の進展に呼応しながら多くの俊才、個性豊かな科学技術者を絶えず社会に輩出してまいりました。そして今や卒業生数は20万人を超えました。そして理工学部卒業生の多くが技術者としてわが国の産業界の推進力となって社会の発展に大きく貢献していることは、日本大学卒業生の技術士受験者数及び合格者数が、一次試験、二次試験ともに全国私立大学のトップにあることからも明らかであり、大変喜ばしいことです。
 この輝かしい実績は桜門技術士会の20年間にわたる技術士受験支援講座、フォーラムや講演会の開催など日本大学卒業者から技術士の誕生を支援するための活発な活動を展開して下さっておられるお陰と心より感謝申し上げる次第です。

 現在、世界は変革期を迎えています。とくに国際化、情報化の加速には目を見張るものがあり、政治、経済、さらに科学技術においては国家間の枠を超えた、グローバリゼーションの時代が到来しています。わが国が高い科学技術力を維持し持続的に発展していくためには、大学と産業界とが社会のニーズを踏まえつつ、その変化に対応できる地球規模での視野を持った多くの人材を育成することが不可欠です。 一方で、近年では18歳人口の減少、大学進学率の増加、大学設置基準の規制緩和などによりいわゆる大学全入時代が到来し、目的意識を持たないいわゆるモラトリアム学生の増加が問題化されつつあります。理工学部では、学生たちに対し学力増強のためのパワーアップセンター、職業意識の向上のためのキャリア支援センターを設け、さらには学生が修得した専門知識の評価科目を導入するなどして学生の専門意識、就業意識を高揚させ、次なる時代を担う創造力、人間力そしてコミュニケーション能力に富んだ技術者の育成を図っています。また技術士資格の取得では、卒業生のみならず在校生までもが、技術士が科学技術の国内最高位の資格であることを認識し、意欲的に取り組んでほしいと願っていますので、桜門技術士会の皆様には魅力あふれる広報活動を展開していただくなど一層のご支援を賜りたく存じます。なお理工学部におきましても積極的に協力いたしますことを申し添えます。

 結びになりますが、桜門技術士会が設立20周年を節目として、日本技術士会のビジョン21に示されている「科学技術創造立国の実現に向け、その専門家として中核をなし、新たな知の創造で環境の保全と人類の幸福を実現する」を目指され、ますますのご発展、ご隆昌を心よりご祈念申し上げます。
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