桜門技術士会設立20周年記念誌 祝辞
目次へ戻る
桜門技術士会設立20周年記念に寄せて
 桜門技術士会設立20周年おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。

 桜門技術士会は、技術士受験をチャレンジする日本大学出身者・在校生の指導、技術フォーラムなど幅広く活動され、多くの技術士を育てておりますことに対して、敬意を表する次第であります。また、日ごろより生産工学部の教育にご理解とご支援をいただきまして、誠にありがとうございます。心より厚く御礼を申し上げます。

 生産工学部では、土木工学科のマネジメントコース、応用分子化学科の国際化学技術者コース、数理情報工学科の情報工学コースおよび電気電子工学科の電気・電子コースの4つの教育プログラムについて、日本技術者教育認定機構(JABEE)によって認定され、これらのコースを修了し、登録した者は、技術士補の称号が与えられております。
 今日のわが国の製造業は、国際競争力の向上を目指して生産拠点を海外に移転し、国内では、産業の空洞化が始まっており、卒業生の就職内定率にも影響が出てきております。このような中で、わが国は、科学技術創造立国として、世界トップクラスの安全で、高度な技術力を有する産業を育て、支えてゆくには、技術士の役割りは、ますます重要になってきます。

 生産工学部は昭和27年に工学部(現理工学部)に工業経営学科として創設され、昭和41年に生産工学部と名称変更し、本年で60周年を迎えることになりました。創設当初、資源の乏しいわが国は、工業立国として近代化を進めるため、海外の技術導入から始まり、製造業の技術力を高め、企業の技術力は向上してきました。生産工学部は、このような時代に、わが国の中小企業の育成を目的として、経営管理能力を有する技術者の育成を教育目標として創設されました。昭和40年に生産工学部と改組したときの教育目標は、「技術教育と企業に必要な経済組織の合理化とを調和融合したところの体系的な一つの知識をダイナミックな生産過程工学を通じて産学協同の思想を実践することのできる生産工学を教育する」と明文化され、わが国唯一の「生産」を冠とした工学部で、産業界に最も近い工学であります。

この教育理念は今日でも受け継がれております。近年、MOT(Management of Technology)として他大学でも経営・管理のわかる技術者教育が行われておりますが、わが国で最初のMOTを導入したのが生産工学部であります。特に生産実習(インターンシップ)は創設当初から必修科目で、3年生の夏休みに企業で実習を行っております。実習を修了した学生は、社会性、協調性、コミュニケーション能力を身に付け、就職の意識が高く、就職後3年間の離職率も他大学に比較して非常に低くなっております。経営管理能力を有する生産工学部の卒業生は、桜門技術士会のご支援により産業界で活躍しております。

生産工学部卒業生に対しまして、更なるご指導をお願い申し上げますとともに、桜門技術士会が今後、30年、100年と発展することをご祈念いたしましてご挨拶とします。
ページトップへ戻る
-- 桜門技術士会 https://www.oumon.com/ --