桜門技術士会はこの度、設立20周年を迎えられるとのこと。まことにおめでとうございます。
会員規定を読ませていただくと、日本大学出身者または関係者で技術士第1次、第2次試験の合格者またはチャレンジする者となっています。試験の種類を薬剤師国家試験と読み替えますと、我々薬学部出身者にも該当すると思います。これまでに本誌での薬学部紹介がなかったと伺っておりますので、この機会をお借りして学部の生い立ちと近況についてご紹介させていただきます。
薬学部は1952年(昭和27年)に工学部(現在の理工学部)に薬学科として誕生しました。従って、本年で創設60周年ということになります。医学部ではなく工学部内に産声をあげたのは、当時の薬学教育を反映したものです。当時は薬の製造、分析、調剤といった、物質としての薬物教育が中心でした。まさに「薬という化学物質」の専門家を養成していたのです。則ち、薬を治療薬としての側面からではなく創薬(化学製品)としての側面からアプローチするという発想に根ざしています。従って、当初は「薬学科」ではなく「製薬工学科」の名称も検討されたと聞いております。記念すべき第1回生は、薬学士ではなく工学士の薬剤師となったそうです。 |
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