桜門技術士会設立20周年記念誌
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編集後記
桜門技術士会設立20周年行事実行委員長  石井 良昌
 諸先輩をさしおき桜門技術士会設立20周年行事の実行委員長を仰せつかり大変光栄に思います。

 桜門技術士会の理事に参加してまだ2年しか経っていません。当初このような組織があることすら知らなかったのが本音です。私は交通工学科を昭和45年に卒業し建設コンサルタントに入社しました。当時学生運動が各大学で勃発し日本大学も全共闘を中心に各学部を巻き込み大変な時期でした。この影響で約半年まったく授業ができず、卒業式も行われず卒業証書も郵送された時代でした。

 このような中、建設コンサルタントに就職したわけですが、当時の建設コンサルタントの立ち位置は、土木の設計会社というイメージが強く、社会に対する認知度もほとんどなかったように思われました。したがって、技術士制度についてもまったく認識がなく上司を含めて取得している者は数える程度しかいませんでした。建設コンサルタントへの発注者の8割近くが建設省、地方自治体で、発注形態も指名競争や随契であり、あまり技術者の資質は問われませんでした。その後、発注にあたり、技術者の能力を評価するようになり、また、評価に対し技術士の資格も問われるようになりました。
 この時期から各建設コンサルタントも技術士の取得に力を入れるようになり、資格手当も出るようになり、急激に資格を取る技術者が増加しました。さらに発注形態がプロポーザル、総合評価となり、技術士の資格が前提となるようになり、増々その価値が高まりました。同時に建設コンサルタント協会では、独自にRCCM制度を立ち上げ、技術士と合わせ二本立ての必須資格となりました。

 今では、建設コンサルタントだけではなく、ゼネコン、自治体および理工系企業においても技術士の資格を積極的に取得させる方向に向かっています。さらに業務内容も多分野に跨ることから技術士の資格も1分野だけではなく2,3分野を取得する者も増えてきています。しかしながら、社会的には建築士などと比較し、その認知度はまだまだ低く業界全体でいかに認知度を高めるかが今後の課題であり、自治体や民間企業に対しても積極的に理解していただくことが必要であります。

 日本大学では、JABEE認定学科が増え、この場合、卒業生は技術士第一次試験が免除されています。しかしながら、学生は技術士資格の意義や重要性を認識している者は少なく、その価値を知らずに卒業し、社会に出て初めて理解しています。現在、各方面で技術士受験のための講座が比較的高価な講習料で行われています。それだけ技術士の価値が上がってきている証拠だと思われます。

 桜門技術士会でも毎年、受験者を募集し合格を目指した講座を行ってきています。講師も理事をはじめ、試験委員経験者など優秀な講師を用意し多くの合格者を排出すべく体制を整えています。しかしながら、HP等を通じて広報活動を行っていますが、参加者は少なく効果を発揮されていないのが現状です。これからは在学生、卒業生を問わず積極的に広報を行い、少しでも受験に役に立てるように努力していきたいと考えています。是非皆様のご協力を賜りたく思います。

 最後になってしまいましたが、諸先輩、皆様のおかげで桜門技術士会が20周年を迎え、 このような記念誌を発行できること、20周年の記念行事が滞りなく行われることに対し、日本大学総長、理工学部長をはじめ日本技術士会、日大工業クラブの皆様からの多大なるご支援とご協力を賜りもしたこと、また、過去有意義なセミナー、講演会に時間を割いて講演を行っていただいた講師の皆様、本誌面をお借りし感謝を申し上げます。ありがとうございました。

 今後とも桜門技術士会のさらなる発展をお祈り申し上げます。
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