桜門技術士会創設30周年記念事業として桜門フォーラムを開催した。今回のテーマは、「宇宙開発の最盛期時代」と題して宇宙開発に焦点を合わせた。
第一部 国際宇宙ステーション（ＩＳＳ）での宇宙飛行士の生活
第一部は、JAXAの梅村さや香氏にご講演頂いた。講演では、国際宇宙ステーション（ＩＳＳ）での宇宙飛行士の生活ぶりから「きぼう」での実験、実験で獲得した技術、これから獲得すべき技術などの説明があった。さらに、技術士21部門すべてが宇宙開発で活躍できると云った説明もあり、皆さんの積極的な参加を待っていますと締めくくられた。
第二部 パネル討論会を開催
第二部は、アストロスケール上級副社長の伊藤美樹氏と本学理工学部航空宇宙工学科の中根昌克准教授も加わってパネル討論会を開催した。伊藤氏からは宇宙デブリによる宇宙環境問題に関する提起があり、宇宙開発の大きな障害であること、さらには宇宙デブリをリサイクルするビジネス展開まで話題が広がった。一方、中根准教授がご研究されている環境制御・生命維持システム（ＥＣＬＳＳ）では、宇宙空間で人類が生存するための環境づくりに関する説明があったのち、討論会では有人探査によって探査対象を直接見ることと感じることが技術開発で最も大切であると結論づけられた。さらに梅村氏からは地球上の問題解決の一例となる宇宙開発として、宇宙食の技術は災害発生時の非常食に大いに役立つと紹介があった。パネル討論会締めくくりには、「自分が夢中になれることをとことん探求。」（梅村氏）、「自らの専門分野にとどまらず、広く目を向ける。」（中根准教授）、「無理だと決めつけず考え抜き行動すべき。」（伊藤氏）などと学生らに贈る言葉を頂戴した。
